生活しているうちに物が増えて、クローゼットや押し入れに荷物が入りきらないという方も多いですね。
そんな時おすすめなのが、ベッド下が収納スペースになっている収納ベッドです。
収納ベッドには、「跳ね上げ式」と「引き出しタイプ」があります。
引き出しタイプはワンルームや子供部屋に置くベッドとして人気ですが、跳ね上げ式ベッドは意外と知られていません。
ここでは、跳ね上げ式ベッドに焦点を置いて見ていきたいと思います。
跳ね上げ式ベッドとは
床板を持ち上げると、ベッド下に荷物が収納できるようになっているベッドです。
ベッドの大きさに20~40cmの深さのスペースがあり、最大で800L以上も収納できる跳ね上げ式ベッドもあります。
仕切りがないので、布団やゴルフバッグ、スーツケースなど大きなものを片付けることができます。
床板は、ガス圧ダンパーで女性でも簡単に開閉でき、間口が広いので、荷物の出し入れもスムーズです。
引き出しタイプは、チェスト代わりに使用されることが多く、子供部屋やワンルームなどの狭い部屋で一人暮らしする女性に人気ですが、跳ね上げ式ベッドは、中高年の夫婦に人気があります。
- 物が増えて収納スペースが足りない
- ベッドの買い替えを考えている
- デザインよりも機能性を重視する
こんな理由で、高さがあって起き上がりやすく、大きなものが収納できる「跳ね上げ式ベッド」が選ばれています。
でも、どんなベッドでも言えることですが、いいところばかりではありません。
当然、デメリットもあります。
ベッドは一度買うとなかなか買い替えることができません。
後悔しないよう、購入前にメリット・デメリットを確認してください。
跳ね上げ式ベッドのメリット
まずは、跳ね上げ式ベッドのメリットを紹介します。
大容量収納できる
跳ね上げ式ベッドの一番のメリットは、大容量収納です。
シーズンオフの布団やスーツケース、扇風機などの季節家電、ゴルフバッグにラグなど、クローゼットに入りきらない大物をたっぷり仕舞うことができます。
スーツケースは、重ねて置けないのでクローゼットに置くと場所を取りますよね。
夫婦がそれぞれ大小のスーツケースを持っているとなおさらです。
シングルサイズの跳ね上げ式ベッドでも、大小2つずつのスーツケースが余裕で入ります。
※画像は、我が家で使っているシングルサイズの跳ね上げ式ベッドです。
分かりにくいですが、スーツケース4つ入れてもまだ余裕で荷物を入れることができます。
部屋を広く使える
荷物がクローゼットに入りきらず、部屋にものがあふれていたり、新たに収納家具を購入したり…部屋が狭くなってしまいますよね。
跳ね上げ式ベッドにすれば、ベッド下が大型クローゼット。わざわざ収納家具を買う必要はありません。
クローゼットに入りきらない荷物もすっきり片付き、部屋を広く使うことができます。
中身が確認しやすく出し入れが簡単
床板を持ち上げると中のものがすべて見渡せ、荷物の出し入れも楽々できます。
クローゼットだと、奥の方にしまった荷物を出すのに、苦労することもありますが、跳ね上げ式ベッドの収納は、他の荷物を移動することなく取り出すことができます。
丈夫
跳ね上げ式ベッドは、その構造上、床板がしっかりしていて丈夫な造りになっています。
耐荷重も一般的なベッドよりも大きいものが多く、軋みにくいので安心して寝られます。
ほこりが入りにくい
収納スペースは床板でふさがれているため、中にほこりが入りにくい構造です。
ただし、中には、底板が付いていないものや底板にすき間があるベッドもあります。
そんな場合は、いくら床板で蓋をしていても、すき間からほこりが侵入してきます。
ほこり対策には、しっかりと底板が付いたベッドを選びましょう。
2台くっつけて使える
カップルや夫婦なら、2台のベッドをくっつけて使いたい方も多いですよね。
引き出し収納ベッドを2台並べる場合、ベッドの両サイドに引き出すスペースが必要です。
寝室が狭いと、十分な引き出すスペースが取れなかったり、一方の引き出しが使えなかったりすることも。
ところが、跳ね上げ式ベッドは上に開くので、ベッドの周りに立てるスペースだけあれば大丈夫です。
置き場所をあまり気にする必要がなく、2台くっつけて使用することもできます。
起き上がりやすい
フロアベッドのような低いベッドは、腰痛、ひざ痛持ちの人や高齢者には負担がかかります。
その点、跳ね上げ式ベッドは、高さがあるので起き上がりやすく、腰や膝への負担を軽減してくれます。
跳ね上げ式ベッドのデメリット
次にデメリットを紹介します。
ベッドの高さが高くなる
ベッド高が高いのは、起き上がりやすいというメリットもありますが、デメリットにもなります。
収納部分の深さでも変わってきますが、最低でもベッド本体だけで30㎝、マットレスを置くと50㎝近い高さになります。
狭い寝室に置いたり、2台並べるとかなりの圧迫感です。
また、小さな子供や寝相の悪い方は、布団がずり落ちてしまったり、落ちたときケガをするリスクが高くなります。
収納量を増やすと、ますますベッド高が高くなるので、部屋の大きさや寝る方との兼ね合いも考えて選んでください。
高さが気になる方は、薄型マットレスを選ぶという選択肢もあります。
湿気がたまりやすい
床板がすのこ仕様のものやベッド下に空間があるベッドは、すき間からマットレスの湿気を逃がしてくれます。
ところが、跳ね上げ式ベッドは、床板がしっかりした厚めの板になっている上に、ベッド下は閉ざされた収納スペースで、湿気の逃げ道がありません。
ベンチレータ(空気孔)付きのマットレスならある程度湿気を逃がしてくれますが、マットレスの湿気対策は必須です。
跳ね上げ式ベッドは、引き出しタイプに比べると若干マシですが、収納スペースにも湿気がたまりやすいです。
掃除する時や外出時に床板を上げておくと、収納スペースの湿気対策ができます。
跳ね上げ式ベッドの湿気対策については、こちらの記事もご覧下さい。

値段が高い
跳ね上げ式ベッドは、ガス圧シリンダーのような特殊な部品を使用していて構造が複雑なため、一般的なベッドより価格が高めです。
一部3万円台と格安なものもありますが、ほとんどがシングルサイズでも6万円台以上です。
でも、ベッドと収納家具を別々に買うことを考えると、出費を抑えることができるのではないでしょうか。
大きなサイズがない
跳ね上げ式ベッドは、ほとんどがセミダブルまでの大きさになります。
カップルや夫婦で一緒に寝たいという方は、2台並べて使用してください。
小物収納には不向き
収納スペースに仕切りがないので、衣類や本、CDなどの小物収納には不向きです。
また、収納に余裕があるからとなんでも入れていると、乱雑になってしまうことも。
小物を収納するときには、ボックスなどを使って整理することをおすすめします。
組み立てが難しい
ガスシリンダーなど特殊な部材を取り付けなくてはいけないので、組み立てが難しく時間がかかります。
また、床板の取り付けは、重い床板を支えながらの作業になるため、1人で組み立てるのは無理です。
最低でも男性2人、できれば3人くらいで組み立てることをおすすめします。
我が家でも跳ね上げ式ベッドを購入したので、プロが組み立てる様子を見ましたが、手際よく進めているにも関わらず、2台で1時間弱かかりました。
素人だと1台でも1時間以上かかるかもしれません。
ご自身で組み立てするときには、早めの時間から始めないと、最悪、夜寝る場所が確保できなくなるかも…
梱包材も多く処分も大変なので、組立設置サービスの利用をおすすめします。
ベッドが重い
跳ね上げ式ベッドは、その構造上、ベッド本体がかなり重くなっています。
ベッドの中では軽めのフロアベッドと比べると、倍以上の重量になるので、1度設置すると動かすのは重労働。
頻繁に模様替えする方にはおすすめできません。
マットレスが選べない
跳ね上げ式ベッドは、セットになっているマットレスしか使えないものが多くあります。
というのも、開閉のために使用されているガスシリンダーは、ある程度の重さがないと閉まらない構造だからです。
床板だけの状態では、閉めることはできません。(無理やり体重をかければ閉まるかもしれませんが…)
マットレスの重みを利用して閉まる仕組みなので、これに合わせた専用のマットレスがセットになっています。
ある程度の種類から選べるようになっていますが、自分の好みのマットレスがないことも。
また、フレームのみでの販売もありますが、マットレスの重量や厚みに制限がある上に開閉の動作は保証されません。
跳ね上げ式ベッド タイプ別メリット・デメリット
これまでは、跳ね上げ式ベッド全般のメリット・デメリットを紹介しました。
実は、跳ね上げ式ベッドには、開ける方式や開き方、手掛け部分の形状の違いもあります。
それぞれのタイプ別メリット・デメリットも紹介します。
開ける方式
跳ね上げ式ベッドは、ほとんどがガス圧式ですが、中にはギア式のものもあります。
ガス圧式は車のハッチバック、ギア式は折りたたみのビーチベッドを想像すると分かりやすいのではないでしょうか。


ガス圧式
メリット
- 床板全体を持ち上げるので、中が見渡しやすく一目でどこに何があるか分かやすい
- マットレスもある程度制限はあるものの、ボンネルやポケットコイルなど好きなマットレスを選ぶことがでる
デメリット
- 縦開きは、ヘッドボード側の荷物が取り出しにくい
- 長く使っていると、持ち上げるのが重くなる可能性がある
- 万が一、シリンダーが破損した場合は、修理代が高い、交換できないことも
ギア式
メリット
- ヘッドボード側と足元の両方から開けることができる
- 足元側は大型のもの、ヘッドボード側は小物など様々なサイズに対応
- ヘッドボード側だけ持ち上げると、リクライニングベッドになる
デメリット
- 中央部分が持ち上がらないので、長物は出し入れしにくい
- 専用のポケットコイルマットレスしか使えない
- 床板がすのこなので、収納部分にほこりが入りやすい
開き方
開き方は、足元側から持ち上げる縦開きとサイドから持ち上げる横開きのタイプに分かれます。
縦開き
メリット
- 壁際から2台並べて置ける
- サイドにスペースがなくても、足元に人が立つスペースがあれば開くことができる
- 持ち上げる幅が狭いので、横開きより比較的開閉しやすい
デメリット
- ヘッドボート側の荷物が出し入れしにくい
- 天井が低かったり、上部に棚や梁など障害物があると、完全に開かない
横開き
メリット
- 足元にスペースがないときに便利
- 荷物の出し入れも手が届きやすくスムーズにできる
デメリット
- 壁際にくっつけた時、引っかかることがある
- 縦開きに比べると、床板を持ち上げるのが若干重い
- 2台並べると開けにくくなる場合がある
手掛け部分の形状
床板を持ち上げるとき手を掛ける部分は、オーバーハングタイプと手掛け孔タイプの2種類あります。
オーバーハングタイプは、床板がフレームよりも少し長く、床板のはみ出した部分を持って開閉するタイプです。
手掛け孔タイプは、フレームに手が入るくらいのすき間があり、そこを持って開閉するタイプです。
横開きは手掛け孔タイプのみ、縦開きはオーバーハングと手掛け孔タイプがありますが、一般的には、手掛け孔タイプが多いようです。
オーバーハングタイプ
メリット
- 床板が持ちやすく、開閉がスムーズにできる
- ほこりが入りにくい
デメリット
- フレームが短くなる分、収納スペースが若干小さくなる
- 湿気が溜まりやすい
- 縦開きしか選べない
手掛け孔タイプ
メリット
- すき間から湿気を逃がしてくれるので、収納物の湿気対策になる
- ベッドの大きさいっぱいの収納スペース
デメリット
- すき間の部分しか持てないので、持ちにくく、開け始めに力が入りにくい
- 閉めるときに持つ場所がズレると手を挟む可能性がある
- すき間からほこりが入りやすい
跳ね上げ式 vs 引き出し式
ここでは、跳ね上げ式と引き出し式を比較してみたいと思います。
どちらを買おうか悩んでいる方は、参考にしてください。
どちらも荷物を収納できるベッドですが、収納するものは違います。
また、部屋のスペースも考えなくてはいけません。
跳ね上げ式ベッドに収納するものは、大物がメインになります。
ボックスなどに入れれば、洋服や小物も収納できますが、毎日のように使うものをしまうのには不向きです。
基本的には、普段使わないものや季節ものなどの収納です。
ベッドの周りに人が立てるだけのスペースがあれば開けることができるので、無駄なスペースが必要ありません。
引き出し式ベッドは、小分けに収納できるので、衣類や小物の収納に向いています。
引き出しごとにカテゴリ分けもできて便利です。
反対側のスペースに大物を収納することはできますが、いちいちマットレスや床板を外さなくてはいけないので、入れたら最後、二度と出すことはなくなる可能性も…。
ベッド周りに引き出すスペースが必要なので、狭い寝室や2台くっつけての使用には向きません。
無理して置くと、引き出しの奥のものが取り出しにくくなるので注意して下さい。
このように、跳ね上げ式も引き出し式も一長一短です。
跳ね上げ式ベッドがおすすめの方
- 大きなものを収納したい
- ベッド周りにスペースがない
- 普段使わないものを収納したい
という方には、跳ね上げ式ベッドがおすすめです。
引き出し式ベッドがおすすめの方
- 引き出すスペースが確保できる
- 衣類や本などの小物を整理したい
- 毎日使うものを収納したい
などとお考えの方には、引き出し式ベッドが向いています。
跳ね上げ式ベッドの口コミ
ここまで、跳ね上げ式ベッドのメリット・デメリット、タイプなどを紹介してきましたが、実際に購入された方の口コミを抜粋して紹介します。
上記を見ていただくと分かる通り、皆さん収納に関してはほぼ満足されています。
寝心地は、一部マットレスの端が硬いという意見もありますが、これは選ぶマットレスによって差がでてきます。
最大の問題は、やはり組み立てが大変ということでしょうか。
組み立てに手間取った、説明書が不十分との意見をいただいています。
跳ね上げ式ベッドに関しては、ほとんどの商品が+5,400円(税込)で組立設置サービス付きにできますので、こちらをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
跳ね上げ式ベッドのメリット・デメリットは理解いただけましたか?
さまざまなデメリットもありますが、やはりベッド下に大容量の収納があるというのは魅力的ではないでしょうか?
ベッドを選ぶ時、デザインも大切ですが、将来に向けて機能性を重視した「跳ね上げ式ベッド」を検討するのもありだと思います。
また、お部屋や用途に合ったタイプを選ぶことも大切です。ぜひ、参考にしてくださいね。