カビ対策ですのこベッドを選ぶことが多いと思いますが、その素材を気にせずに選んでいる方がほとんどではないでしょうか。
木製のすのこベッドは、どれも同じに見えますが、素材によって特徴があります。
また、合成樹脂を使用したすのこベッドもあります。
ここでは、すのこベッドの素材と特徴について紹介します。
木製すのこベッドの素材
すのこベッドに使われている代表的な木材は、
「檜(ひのき)」
「桐(きり)」
「杉(すぎ)」
「松(パイン材)」
の4種類です。
檜(ひのき)
檜は、高級建材として神社や仏閣を建てるために古くから利用されてきました。
私たちに身近なものとして、ヒノキ風呂やふろ場のすのこ、まな板などがあります。
檜の特徴
- 耐久性に優れている
- リラックスできる
- 殺菌・防虫効果
- 消臭・脱臭効果
- 吸放湿効果
耐久性に優れている
檜は、伐採されてから200年間は強度が増し、その後ゆっくりと弱くなると言われています。
実際、法隆寺や薬師寺の塔などは、1300年経ってもそのまま残っており、ほぼ伐採時の強度を保っています。
このことからも耐久性は保証済みですね。
リラックスできる
ヒノキ風呂の良い香りでリラックスした経験がある方も多いのではないでしょうか?
ヒノキの香りには、気分を落ち着かせる効果だけでなく、自律神経を正常にさせる働きがあります。
また、血行促進や疲労回復、快眠などの効果もあります。
殺菌・防虫効果
昔から、ヒノキ造りの家には蚊がいないと言われています。
ヒノキの香り成分「フィトンチッド」には、抗菌・防虫効果があり、虫を寄せ付けません。
また、ウイルスやカビ・ダニの発生を抑えてくれる働きもあります。
消臭・脱臭効果
前述した「フィトンチッド」には、消臭・脱臭効果もあります。
最近は、その特性を生かしたひのきの消臭剤なども販売されています。
嫌な臭いを消しつつ、ひのきの良い香りがただよい一石二鳥ですね。
吸放湿効果
ひのきには、湿度に合わせて空気中の水分を吸収・放出するという優れた調湿機能があります。
いつも湿度を一定に保つことができ、カビ・ダニ・ウイルスの繁殖を抑えることができます。
ひのきは、柔らかく加工しやすい木材ですが、繊維が詰まっているので強度が高い特徴があります。
そのため、すのこベッドとしては最高の素材ですが、木材の中では若干重いので、移動させるのが大変かもしれません。
また、品質が良い分、価格も高めになってしまいます。
良いものを長く使いたい方やアレルギーのある方におすすめです。
桐(きり)
桐は、湿気に強く、割れや狂いが少ないため、古くからタンスの材料として使われていました。
最近では、クローゼット付きのマンションが増えているのでタンスは必要なくなってきていますが、以前は、嫁入り道具として桐ダンスを持っていくのが一般的でした。
桐の特徴
- 軽い
- 防虫・防腐性
- 断熱効果がある
- 調湿作用
- ゆがみにくい
- 燃えにくい
軽い
桐は、国産の木材の中では一番軽く、女性でも扱いやすい素材です。
テーブルやベッドなど、比較的簡単に移動や組み立てすることができます。
防虫・防腐性
桐は、アルカリ成分が強く、虫が付きにくい材質です。(これもタンスに使われた理由の1つ)
また、桐に含まれるタンニンは、殺菌・防虫効果があり、カビの発生を抑え、害虫も寄せ付けません。
断熱効果がある
桐は、断熱効果にも優れているので、夏は熱くなりにくく、冬は冷たくなりにくいという特徴があり、ベッドには最適の素材です。
床置きタイプのすのこベッドでも、床からの冷えを伝えにくく冬でも快適に寝ることができます。
調湿作用がある
桐は、湿度が高い時には膨張し、乾燥時には収縮して湿度を調整する働きがあります。
そのため、マットレスにたまった湿気も木材自体が調整してくれます。
ゆがみ・割れが少ない
桐は、ゆがんだり割れたりすることが少なく、継ぎ目などにすき間ができにくい素材なので、長く使うことができます。
燃えにくい
桐には、燃えにくいという特徴があります。
桐ダンスは、火事で表面は焦げて炭になっても、中のものは燃えていなかったという話もあります。
桐は、ひのき同様、すのこベッドに適した素材で、長く使うことができます。
ただし、桐は他の木材と比べて柔らかいので、キズが付きやすいという欠点があります。
また、「タンニン」の影響により、長く使っていると黒っぽく変色してきますが、それも月日を重ねた風合いですね。
桐すのこベッドは、ひのきより価格もお手頃で、軽いので一人暮らしの女性におすすめです。
杉(すぎ)
スギは、日本で1番多く植えられている木材です。そのため、花粉症に悩まされる人も多いのですが…
スギは、木目がまっすぐで加工しやすく、空気をたくさん含んで断熱効果にも優れているため、住宅や家具などに多く利用されています。
杉の特徴
- 軽くて柔らか
- 調湿・断熱効果
- 有害物質を吸着
- 香り
柔らかい
杉は、軽くて柔らかく、加工しやすい特徴があります。
柔らかく、衝撃を吸収してくれるので、フローリングにもよく使われていますが、キズが付きやすいという欠点があります。
調湿・断熱効果
杉は、約70%が空洞になっていて空気を多く含んでいるので、断熱効果の高い木材です。
調湿性にも優れているので、冬は暖かく、夏はさらっとします。
有害物質を吸着
スギには、オゾンやホルムアルデヒドなど有害物質を吸着する働きがあり、室内の空気を浄化してくれます。
また、呼吸器疾患の原因となる二酸化窒素を70~90%吸着して、体内で固定化します。
香り
杉の香りには、「フィトンチッド」が含まれており、まるで森林浴をしているようにリラックスできます。
ひのき同様に、防虫・抗菌、消臭・脱臭効果もあります。
杉は、その柔らかさ故、傷つきやすいとうデメリットがありますが、ベッドの場合はあまり気にならないのではないでしょうか?
建築資材として流通量も多く、すのこベッドも低価格で販売されていますので、価格を抑えたい方におススメです。
パイン材(松)
パイン材は北米や欧州産マツのことです。
節が多いのが特徴ですが、そのナチュラルな風合いでカントリーテイストの家具に良く使用されます。
パイン材の特徴
- 香りが良い
- 柔らかい
香りが良い
パイン材は、針葉樹特有の木のかおりが特徴です。
森林浴を感じさせてくれる香りはリラックス効果があります。
柔らかい
パイン材の特徴は、その柔らかさです。
加工がしやすいのはもちろんですが、その柔らかさゆえ、肌触りが良く、ぬくもりを感じる素材です。
パイン材は、価格は安いですが、湿度や熱の吸収率が高いため、膨張や収縮、反りやすいというデメリットがあります。
すのこベッドにもよく使われる素材で、デザイン性に富んだものが多く女性におすすめです。
合成樹脂のすのこベッド
折りたたみすのこベッドには、「合成樹脂」のものもあります。
木製のベッドのような風合いはありませんが、扱いやすく安心して使えます。
合成樹脂の特徴
- 抗菌樹脂加工で、菌やカビ・ダニの繁殖を防ぐ
- 拭くだけで汚れが落ち、お手入れが簡単
- 軽量で、女性でも手軽に移動ができる
すのこ部分に細かい孔が開いて湿気を逃がしてくれるものもありますが、樹脂自体には木材のように調湿作用がないので、すのこと接している布団にカビが発生することがあります。
やはり、定期的なお手入れは必要です。
まとめ
木材4種類と合成樹脂のすのこベッドについてご理解いただけましたか?
少しでもすのこベッド選びの参考にしていただければと思います。
個人的な意見ですが、どのすのこベッドが一番?と聞かれたら、やはりヒノキのすのこベッドです。
ただ、品質が良い分価格も高くなってしまいます。
もっと価格を抑えたいなら、桐のすのこベッドがおススメですね。
女性でも扱いやすく、価格も若干リーズナブルです。
とにかく安いすのこベッドが欲しいという方は、素材を気にせずに選んで下さい。
お値段以上ではないかもしれませんが、普通に寝るには支障はありません。
ぜひ自分にぴったりのすのこベッドを選んでくださいね。